うるせえよ、馬鹿野郎

航海士にして後悔士。子育てとか禁煙とか映画とか。つまるところ備忘録。

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ビジネスマナーという得体の知れない主観の塊について

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先日、会社の偉いさんがやってきて会議だか講義だか、まぁとにかく偉そうな人が偉そうな話をしに来た際、随分と怒っておられた。

曰く、「話を聞く姿勢がなっていない」

とても心外である。僕はその時、僕の知りうる中で最も信頼のおける礼儀作法にのっとってその姿勢を取っていたからだ。

僕の最も信頼する礼儀作法とはつまり自衛隊(僕は海自だった)の礼則、軍隊(もうこの際そう言ってしまおう)の礼儀作法だ。世の中にはマナー講師という得体の知れない人たちがいて、根拠もあやふやなマナーが数多あるが、僕が信頼するのは自衛隊時代のマナーである。

理由は簡単、これが法律を根拠とし、ある程度世界共通であり、国ごとの差異が尊重されるマナーだからだ。

自衛隊の礼儀作法、礼則は自衛隊法によって遵守を義務付けられている。いわば法に定められた数少ない礼儀作法のひとつだ。まして軍隊というのは使えない奴でも何とかして使う組織であるので事細かに、わかりやすく決められている。

また軍隊の統率方法なんて世界中で似たり寄ったりなので、共通部分もかなり多い。こと海軍においてはその傾向が顕著だ。

そして、ここが一番重要だと僕はおもうのだが、所属する国家が主権国家足りえる限り、国ごとの差異は尊重される。つまり相手がアメリカ人だろうと中国人だろうと習った通りにやればよいのだ。当然相手も自分の国の方式で対応する。軍隊とは結局は外交手段なのだから、対等な国交があるかぎり違いは尊重される。なんと便利で分かりやすいのだろう。

国家が保証し、世界が尊重してくれているマナーなのだ。怪しげなマナー本なんかよりずっと信用できると思っていたのだが、このありさまだ。

さて、僕がこの時取っていた姿勢は両手を腰の上で組んで両足を開く、いわゆる「整列休め」という姿勢である。「休め」とはいうものの割とフォーマルな姿勢で、割と上級の幹部でも部下に話をする際、この姿勢をさせることはあまりない。大抵は組んだ手を腰の下に下げる「休め」の姿勢を取らせる。

僕は儀仗隊、平たく言えば式典用の部隊に割と長くいたのでこの動作には少しばかり自信があった。ちなみに海自の儀仗隊は臨時で編成される。陸自には確か常設の部隊がいたはずだが海自はその都度選抜される。選抜基準は中肉中背であること、そして暇な奴である。要するに僕は「いなくてもいいやつ」だったのだが、それでも総理大臣や皇族に対して栄誉礼を行ったことは僕のさえない自衛隊生活のハイライトだ。

閑話休題。

とにかく偉いさん(実際のところどれくらい偉いのかよくわからないではある、顧問と呼ばれているが現場の人間はその人がどれくらいの地位にいるのか誰も知らない。どうやら課長以上部長未満ではあるようだが)は僕の態度が大変ご不満であるらしい。

曰く「手を後ろに組むのは失礼だ。」「どういう教育を受けたのか?」「社長の話も同じ姿勢で聞くつもりか?」

教えたのは国だし、残念なことに、僕は総理大臣や皇族の前で同じ姿勢を取っている。僕は前職の割には政治家や皇室に対する敬意が希薄なほうだが、それでも彼らに比べて社長が偉いとは思わない。

ビジネスマナーとは一体何なのか?僕が見るに、自分のことを過大評価した人間が好き嫌いで物を言っているだけのものだ。そうならば軍隊のほうがよっぽどわかりやすいではないか。いっそ「軍隊式マナーの本」でも出してみたらどうか?流行ればマナーがよほどわかりやすくなるとおもうのだが。