うるせえよ、馬鹿野郎

なんだかよくわからないけど書きます

東海圏から外にでた愛知県民が味噌以上に困る何か

誠にどうでもいい話で大変恐縮なわけだが。

僕は愛知県出身だ。いわゆる名古屋人である。

で、名古屋から来ましたって言うと、だいたい人が味噌の話をする。

赤味噌、八丁味噌。あの赤黒いやつ。

「お前らなんでも味噌つけて食うんだろ?」

まあ、別に構わない。

そういうところから会話が広がることもあるし、別に味噌は嫌いじゃない。

本当は味噌の消費量は全国的に下から数えた方が早いとか、そんなことも別にどうでもいい。

要するに愛知県民としても味噌に関しては覚悟出来ている。

どうやら他所では違う味噌を食ってるらしい、スーパーに「つけてみそ かけてみそ」は売ってないぞ、と。

わかっているのだ。そんなことは。

ところがだ。県外に出ると全く予想もしてなかった食文化の違いがある。

ウスターソースだ。

厳密にいうと「こいくちソース」だ。

説明させてもらうと、こいくちソースとは気持ち味の濃いウスターソースだ。普通のソースとの違いはほぼない。しかし確実に違うのだ。

主なメーカーはコーミ、そしてカゴメだ。コーミはともかく、このカゴメが厄介だ。

カゴメ。大企業である。おそらくどこに行ってもカゴメのケチャップは手に入る。全国区のメーカーである。そのカゴメが素知らぬ顔で店頭に並べている。

「こちらがうちの主力商品でございます。」

そんな風に堂々と、こいくちソースをスーパーのソースコーナーのメインに据えて売っている。

カゴメほどの大企業が商品だなの1番いい場所に陣取らせている。

それはきっと、世の中でも一般的かつ普遍的なものだろう。

そう認識して県外に出るまで育つのである。そもそも僕がソースの違いを感じたのは25歳の時、半年ほど京都に住んでいた頃である。フライを食べた時、何気なくかけたソースの味に違和感を覚えた。

「なんか薄い」

その時のソースは、もう覚えていない。僕の知らないメーカーだった。当時の僕は、それを商品ごとの個性の違いとして処理し、気づかないまま短い京都生活を終えた。

明確に違うと感じたのはその翌年、僕は神奈川県にいた。

なんとなく入った食堂、なんとなく頼んだフライ。

特に意識することなく、僕は卓上のソースを手に取りかける。ブルドッグ。

「とんかつソースだ。」

そう思った。フライにかかった、粘度の高いソース。僕の中でそれはとんかつソースだった。

間違えたと思い卓上の調味料を確認する、ソースの瓶はひとつ。そこには見慣れぬ名前が刻まれていた。

中濃ソース。

意味がわからない。中濃ってなんだ。よく見るとたしかにとんかつソースではない。色も薄いし、味もマイルドだ。どうやら別物のようだ。

聞けば関東ではこちらがスタンダードらしい。

しかしながら、これはどうにもいただけない。

食べ慣れない、僕は慣れ親しんだソースがいい。

そういえば家にソースがまだ無かった。

帰りにスーパーによる。ソースのコーナー。カゴメのウスターソースを手に取る。パッケージが多少違う。地域差だろうか。まぁいい。今夜はやきそばにしよう。

結果として、僕の期待は裏切られる。

「薄い。」

薄いのだ。何故だ?ちゃんとウスターソースを買ったはずだ。なにが違うんだ?

僕はPCに向かい、検索する。

「愛知県  ウスターソース」

結果、こいくちソースなるものを知ることになる。

僕は知っていたはずだ。

「つけてみそ かけてみそ」は食卓に常備されていないこと。

冷やし中華にはマヨネーズをかけないこと。

喫茶店のモーニングは別料金であること。

全て知っていたはずだ。全ては想定の範囲内だったはずだ。

だがこの様はなんだ?想像すらしなかった。誰も教えてくれなかった。

県外では、ソースが違うんだ。

しかしインターネットとは便利なもので、僕の悩みはいとも簡単に解決する。

今や地方限定は入手困難なレアアイテムではない。

クリックひとつで日本全国津々浦々、あらゆるものが手に入る。

ありがとう、amazon。

そんなことを思いながら、今日も僕はマウスを握る。

コーミ こいくちソース 1000ml

値段は高いが、いい味です。